原付旅行南九州 1600km & 種子島 H2A F-3 No.10

砂蒸し温泉

気づくと朝でした。本を読みながら知らぬ間に落ちてたみたいです。久々にベッドで眠るのは快適だった。どうやら泊まっていたのは3人(マレーシアの方と日本人の学生(♂))で、学生の方と話をすると「砂蒸し温泉」はいいですよ、と言われました。ちょうど行くかどうか悩んでいたので、それならばと朝イチで乗りこんだ。裸に浴衣で準備完了、砂浜に出て行く。おやっ、すると隣のおねーさんもハダカにユカタなのですか。なんだかえっちぃ、とか思ってると、スコップを持ったおばさまたちに囲まれてあっさり砂に埋められた。

砂蒸し温泉

「15分ぐらいにしてください。」との注意書きがありました。地熱と砂の重さで、サウナ苦手な僕としては5分ぐらいでアップアップになる。もう出たい。これってサウナ+砂の重量なだけじゃないのだろうか?と考えながら13分ほどで「あのー、これって勝手に出たんでいいんですか?」と尋ねると「いいですよ。」とのこと。むくりと起き上がり、風呂場で砂を落とす。

着替えて待合室で、ひとやすみして出発しますか、っと長いすに座ると、ガタンと腰が落ちて立ち上がれなくなった。頭では行こうとはするのだが、腰から下、足に力が入らない。腰が抜けるってこういうことを言うのだろう。

どうにか立てるようになったけど、頭はフワフワしており開聞岳と池田湖をぬぼーっとしたままスルー。そのまま有料道路に乗り知覧へと向かっていた。

開聞岳

知覧ではリアキャリアにボックスを積んだ稚内ナンバーのソロ女の子カブツーリストを見た。すごいな。個人的に、ここは観光地化され過ぎて、入場料は高いわ、人は多いわ、おまけに暑いわでたいへんでした。さっと切り上げて、ツアーのおじさんおばさんを横目に鹿児島市へ向かう。

鹿児島県立博物館へ行く。ここも屋久島行ったとき、時間がなくて入れなかった場所。幕末、明治維新等、展示物が多くとっても興味深い。じっくり見ていると閉館時間となり、またも、すべて見られなかった。キャンプ場へ行く前に温泉に立ち寄った。忘年会の予約申し込みポスターがあり「今年も焼酎は飲み放題です。」に圧倒させられる。さすが鹿児島人。2日前に泊まった国分のキャンプ場でテントを張った。2回目となると自分の家みたいなものだ。

次の日、国分市から北上し、霧島へ向かった。霧島神社をウロウロ、山の上はちょっと肌寒い。アウターを着て走り始める。

開聞岳

ツーリングマップルにあった「混浴」という二文字に踊らされてハンドルを右に切る。霧島新燃荘、湯の花が至るところにあるおそろしく濃い硫黄の温泉で、湯治場の雰囲気でした。ここで使ったタオルからは、帰ってから一度洗濯機にかけても硫黄の香りが漂っていた。

霧島新燃荘

川底が白いのは温泉の成分のため。温泉から出ると、ここでも腰が抜けてヘロヘロになった。鹿児島の温泉最強です。またまた、ぬぼーっとしたまま霧島をスルー。今日中に帰ることに決めR10を北上する。佐伯から八幡浜に渡り、深夜に無事到着。貴重な体験となりました。

後日談。

種子島から帰った次の日、実家に向かってると、自転車のツーリストが走っていた。目を疑った。フルリジットで前後ディスク、赤のスペシャライズド。市販車にこの組み合わせはない。間違えない、あの日、あの場所で見た自転車(正確には人)だ。道脇に原付を止め、「あのー、すみません、種子島で打ち上げ見てなかったですか?」と呼び止めてしまった。もろにキョトンとした顔をされたけど、僕もあの場所にいたんですよ。としばし話をして、「お気をつけて」と別れたのであります。ウソのようなホントの話でした。