原付旅行南九州 1600km & 種子島 H2A F-3 No.8

17:20 Lift Off

17時をすぎる。海岸で知り合った関東から来た兄さんがばたばたカメラを準備し始めた。海岸の岩場は満ち潮で水飛沫がかかるようになり、急いで後ろにさがりカメラ位置を修正している。時報をたよりに時計をあわせた。双眼鏡を借りて見てみると延焼防止なのかスプリンクラーで周りの森に水をかけていた。どうもアドレナリン漬けの脳が全力で踊っていたようで、この辺り記憶がないのだ。

17:20前、まわりみんなでカウントダウン開始8・7・6・5・4・3・2・1・・ゼロッ!あらっ!?上がらないぞ?と思った瞬間ぽっとロケットの下部で光がついた。

Lift Off

ロケットの左側、ずごごっとすべてを吹き飛ばすような勢いで白い煙が広がっていく。まだ煙とは違い、ロケットは意外にゆっくりと上昇している。

オレンジのような黄色のようなまぶしい光があふれてくる。おそい、ホントに上がるの?と思ってると徐々にロケットは加速していく。

Lift Off

ロケットが発射台を越えた辺りで、突然、バリバリバリバリバリバリッと爆音が襲って来た。体全体、中まで揺らして突き抜けていく。

あれほどの強大なエネルギーが持続して出てくる音って聞いたことがない。重力を振り切るはずだ。凄まじい音に包まれながら「行けーッ!行けーッ!」と夢中で叫んだ。

遠く白い煙を残してロケットは地球から出ていった。

Lift Off

また波の打ち寄せる音が聞こえてきた。興奮さめやらぬままここで知り合った3人(愛媛のバイクの方、関東の兄さん、俺)で温泉に行く。サウナのテレビで完全成功を知り。その後、宇宙が丘の展望台から射点の光を見ながら三人でビールを飲む。成功に乾杯っ!