青春18キップで屋久島へ No.5 「縄文杉は雪化粧中」

完全な雪道

世界自然遺産登録地域縄文杉に近づくにつれて、完全に雪道となったが、そんなことはもう関係無かった。雪が融けて水溜りになっている場所を避けながら進むと、突然、公園のように道が整備されていた。

木でできた階段を上がりきると縄文杉が現れた。

縄文杉

家を出て5日目、憧れの縄文杉の前に立つ。雪の深さは約10cm。持ってきた杖を刺すと自立します。昔は幹に触れたらしいけど、根が傷んだり、いたずら対策で触れないようになっていた。

杉の前でパンとカップスープで昼食をとる。暖かいスープが身体をあっため、ぐちゃぐちゃになっている靴も忘れるぐらいだ。ついにここまで来たんだ、二人ともテンションが高く、笑い転げるように話した。最後に、もう1度縄文杉を見上げ、帰路についた。今度は違う季節、そしてこの先の宮之浦岳へと行ってみたい。

雨宿り気合を入れすたすた帰る。二人ともあの山小屋に泊まりたくないからだ。後輩は恐ろしく下りが早かった。俺は上りは早いのだが、自分のペースで上がれない下りは苦手である。後ろから追っかけられるのはイヤなので先に行ってもらう。途中、雨が振り出した。朝は青空が見える快晴だったのにみぞれまじりの雨だ。激しい気候の変化も世界遺産の印なのだろうな、と思いつつ二人ともびしょぬれ、二人で魂をはみ出して黙ってひたすら歩く。

途中の巨大な石の下で雨宿り、先客の人にあたたかいお茶をご馳走してもらう。助かった。

山小屋に到着、メインのザックに装備を戻し「ぐっ、重い・・」白谷雲水峡へ無事戻ってきた。なんかノーマル観光客の親子連れに変な目で見られたような・・なんせ極限状態だったもので。事務所で下山届けを書く。タクシーを呼んで下界まで降りて無事終了となりました。いつものキャンプ場へビールを持って向かう。なんでもないスーパーで買った刺身が旨い。早くからテントにもぐりこみ睡眠をむさぼる。明日は帰る日だ。