青春18キップで屋久島へ No.1 「まずは各駅停車の旅」

「ホントに行くんですか?」

TBSの世界遺産を見てから憧れの地であった屋久島。いつの日か行ってみたいと思っていて、なんとなく部活の後輩を誘ってみると、話が進んでいき、行くことになった。2001年3月6日、JR松山駅に青春18キップを買いに行く。田舎なので「売りきれです。」と言われるのかと思えば、印刷みたいな感じであっさり購入できた。もう後には引けなくなったな。

鹿児島まで移動中3月8日、AM5:34起床する。鹿児島までの各駅停車の旅が始まった。後輩はよくこんな旅に付き合ってくれたものだ。松山~大分はフェリーで、大分から鹿児島は、がたんごととんと15時間近く鈍行電車に座り続ける。日付が変わる直前に西鹿児島駅に到着した時はさすがにお尻が痛かった。強力な寒波の影響でみぞれ混じりの雨が降っている。確かに南へ向かったはずなんだけど、雪ですか。さて、宿の予約なんてしていないので、どうしようと思いながらなんとなく桜島のフェリーターミナルに行くとビバークしてる人をたくさん見つけた。我々も隅っこに陣取ることに決める。おやすみなさい。

屋久島へ条件付出航

雪化粧した桜島朝早く、フェリーターミナルを出る準備をしていると、新宿からママチャリで来ているというおっちゃんに話しかけられる。屋久島行きフェリー乗り場を教えてもらった。フェリー待ちの空き時間を利用して近くのコンビニで朝食を買う。

駐車場の車には雪が積もってる。ターミナル内はわりと人が多いのだが、どうやらここ2、3日寒波の影響で船が出てなかったらしい。桜島も雪化粧していた。

屋久島を視認今日のフェリーも「鹿児島に引き返す可能性あり」という条件付出航であった。佐多岬を超え太平洋に出たとたん船が上下に揺れまくる。日頃穏やかな瀬戸内海で馴れてるだけあって、けっこうキツイ。後輩は船酔いで討ち死にしてしまった。そこら辺の絨毯に座りこんでうつむいてる。魂がはみでて見えた。一人、甲板に出ると薄暗い海の上にうっすらと島が見えてきた、島というよりか海の上にそびえる山であった。

屋久島に上陸

上陸。大学生みたいな似たような人がたくさんいる。登山計画を練るために(我々登山ほぼ未経験)悩んでいると(だいたいフェリー乗り場の地図で計画を立てるな)地元のおっちゃんが「どこいくの?」と聞いてくれた。とにかく、縄文杉-宮之浦岳-南側の海岸と屋久島を縦断するコースを聞いてみたけれど、あっさり、「やめときなさい」とのこと。我々が選択したのは元々危ないコースで今は、雪が降っているのでより危険なようだ。

標高的には石鎚山(四国最高峰)と同じぐらいなので簡単に登れるだろう思ってたけど、そうはいかないみたい。今日は後輩がまだ体調悪そうなのでキャンプ場に行く事に決定した。20-30分歩く。俺は「どーせ休むのならちょっと上まで行こうよ。」とか思っていました。そのせいで二人の間に不穏な空気が流れる。そして、いざ着いてみると、キャンプ場を利用するには、観光センターまで戻って受けつけしなきゃならないらしい。来た道を戻らなきゃいけないのかッ!?二人とも押し黙って歩いた・・・・。

雪化粧した桜島観光センターで手続きをする。ここの人が感じ良い。なんか二人の間に合ったイライラが取り除かれた。いつも通り気楽にやろうってことで二人でビールを買って再びキャンプ場に。ところが海からすんごい強風が吹き荒れている。テントを建てるのがひと苦労だ。ペグを持ってきてなかった後輩はテントを飛ばされていた、まだまだ青い。(この後彼は必ずペグを持っている)

やることないので20時頃から寝始めるが3時間ぐらいで目が覚めた。あれだけ強かった風がゆるんでる。雲の合間から満月が顔を出した。外に出てみてお茶温めて飲む。波の音が聞こえるだけ。ここは屋久島なんだ。ヘッドランプで小説を読みながらウイスキーを飲む。2時ごろ就寝した。