台湾ではレアな祝日

来島海峡大橋

E-PM1 + LUMIX G 14mm F2.5 来島海峡大橋

またまたオリンパスE-5後継機のウワサが出ていて、オリンパスがフォーサーズを止めると明言しない理由はなんなのだろう?やっぱりレンズ開発費?・・・結局、E-300は修理依頼せずに実家に置いてきた。次回、帰国する際に E-3 とフォーサーズのズームレンズも持って帰る予定。

「あゝ野麦峠」 山本茂実 著
説明を書く必要もないほどのメジャー作品。ウェットで悲哀なエピソードだらけかと思いきや、綿密な取材が作り上げる骨太のノンフィクションで驚く。生糸で得した人、損した人、当時の生活、世界情勢、関係した人は皆、幸せな瞬間はあれども幸せな時代ではなかったのでは?いろいろなもやもやが頭の中を巡る良書。ちょうど台湾では日本統治時代が始まった頃で、時代のイメージに広がりを加えることができた。

「空白の天気図」 柳田邦男 著
原爆投下直後の昭和二十年九月に日本を襲った枕崎台風を観測した広島地方気象台のノンフィクション。一人だけ仮名の登場人物がいて、その理由が第一章で

終章で記録される彼のあまりにも悲惨な運命を考慮したとき、実名を書くに忍びなかったからである。

と書かれていて、なにその伏線?と興ざめしつつ読み進めると、原爆投下前から始まり、原爆のエピソードが圧倒的すぎて枕崎台風がほぼ印象に残らず表題と剥離している読後感に包まれた。原爆+台風という極限状態でも職務を果たした職員の姿が書かれているのですが、日本人なら別に珍しくないような。うーん。

あれは犬かな?

D700 + CarlZeiss Distagon T* 25mm f2.8 ZF 淡水

やたらと眠いので寝ます。

村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」を読了。「ノルウェイの森」に続く2冊目。あれはセックスばかりしてて、うーん、という感じだったのだけど、こちらは日常の心のうつろいをひたすらメモったような、細やかな描写がよかった。ノルウェイの森もそうだったのかな?固有名詞や当然のように話すエピソードになんかわかんないところがあるな、と引っかかりを感じていたらシリーズものの最終刊だったことに気づく。

「卵をめぐる祖父の戦争」 デイヴィッド・ベニオフ 著。徹夜に近くなろうが読むのを止められなかった本は久々でした。とってもよろし。

ほとんど寝ていた

D700 + CarlZeiss Planer T* 50mm f1.4 ZF 台北市

朝、昼、夜もぐーぐー寝まくった土曜日。寝不足ってことはないけれど眠れるんだから寝ちゃいましょうぐらいで積み本を何度か落としながらソファで眠った。

正倉院ガラスは何を語るか」は、最初にオレの論は正しいのだ!の主張が出てきて、マイナス50点。そういうのは新書でやらなくていいから。器の製作時期がわかんないと書いてますが炭素14測定でわかるんじゃないのかな。実際に同じデザインのガラス器の製作方法を再現しているのはマルなんだけど、タイトルほどロマンを感じる内容ではありませんでした。

起きてた合間に仕込んだ水出し阿里山珠露茶のまろやかなことよ。阿里山珠露茶は高山茶の一種で、嘉義縣竹崎郷の海抜1,400m辺りで栽培されている青心烏龍のこと。この風味は高山烏龍茶・・・だ。珠露の漢字を日本語にすると玉露で、地域ブランディングのためにこの名前を付けてる気がする。

自宅で炭酸水が作れるSODASTREAMを買おうかと迷ったのだけど、空気中の二酸化炭素を圧縮して炭酸水を作るのではなくてボンベが必要なのね。日本価格より若干安いのだけど素直にペリエを買えば良いかとスルーした。それよりオーブンを買うべきだ。

黒いキャンバス

E-PL1 + LUMIX G VARIO 7-14mm f4.0

上の写真はスルーして読書感想文を書く。

ハチはなぜ大量死したのか」 ローワン・ジェイコブセン 著
読後に「オ、オレ日本に無事帰れたら蜂を飼うんだ」とつぶやいてしまう本。一昔前にハチが失踪しているというニュースを聞いて、あれは解決したのだろうか?と心の片隅でずっと気になってた。その原因らしき部分がわかります。ハチの一生を映像を見てるかのように書いた文章も絶品。ハチとハチミツが大好きになれます。オススメ。

イニュニック[生命]」 星野道夫 著
星野さんの無駄のないそぎ落とされたかのような透明感あふれる文章でアラスカでのできごとについて書かれています。エスキモーに伝わる伝承、生命について。座礁したクジラのエピソードなんて大らかすぎてすごい。いくつか引用。癌になったカメラマンとの会話。少し冗談めかして聞いた、とあります。

「ヘレン、人生の中で一番大切なことって何?」
彼女は迷わず答えたものだ。
「友だちだよ」と・・・・。
僕はこの言葉を一生忘れないと思う

アリューシャン列島のキスカ島でアメリカと日本の慰霊祭があり、それに参加した時、アメリカの老兵との会話。この方は絵が好きで、戦後は大学の美術の先生になったそうです。

「ミチオ、ふつう絵を描く前のキャンバスは真白だね。そこに少しずつ色を塗ってゆくわけだ。私はいつの頃からか、まず初めにキャンバスを黒く塗りつぶすようになった。その上に色を重ねながら描いてゆくんだよ。(中略) 私は、人が生きてゆくということは、その人生の暗いキャンバスに色を塗ってゆくことなのだと思う。それも、どれだけ明るい色を重ねていけるかということなんだ・・・・・・だがね、黒いキャンバスの上にどんな明るい色を塗っても、その下にある黒はどうしてもかすかに浮き出てくる。だから再びその上に色を重ねてゆく。私はね、生きてゆくということは、そんな終わりのない作業のような気がするんだよ・・・・・・」

前後もすばらしいので、ぜひ。

台湾で購入した本

E-PL1 + ZD25mm f2.8

長い間住んでいれば気になることもありまして、台湾で買える野菜と魚の本、そして山登りの本を購入。野菜図鑑には台湾の野菜の旬とか産地が書いてます。例えば、空心菜は春の終わりから秋に採れ、夏の暑い時期が最盛期。台湾全域で栽培されるが宜蘭の温泉で栽培されるのが有名、とか。

魚は市場で買うと名前はわかんないし、最近、スーパーでパック詰めされていた下記の魚は「台湾澎湖海域肉魚」と書かれてるだけで、名前がわからない。

図鑑を引いてみると台湾では「黄尾瓜」と呼ばれていて、英名「Shrimp Scad」で、日本だと「クロボシヒラアジ」と呼ばれる。確かに頭の後ろにクロボシがありますね。旨みの少ないあっさりした味わいでした。台湾周辺の岩礁によくいるそうです。

読書感想文

Kodak C123 外獅頭‎からみた關渡

「サクリファイス」  近藤史恵 著
早く結末を知りたいけど読み終わりたくないと葛藤に包まれた物語でした。いやー、たまらん、と続けてもう一回読んでしまった。ペダルを踏み込み加速する感覚やアタックのタイミング、なによりもさわやかな読後感がうれしい。ロードレース好きの方はぜひ。そうでない方もぜひ。しかも続編として「エデン」も出ていますよ。買いに行かねば。

「凍える海」 ヴァレリアン・アルバーノフ 著
久々に見つけた漂流モノ。漂流モノが大好きな椎名誠氏が帯を書いているのが非常に期待大。船が氷に閉じ込められた経緯部分があっさりしているのでカタルシスは少なめですが、不安定な浮氷から陸地に立つ瞬間はぐっと来ます。あと炭水化物は大切なのだなとか。ヴィレッジブックスってあんまりチェックしてなかったけど好みの本が多そう。

「死体が語る真実」 エミリー・クレイグ 著
この凄さは厳しい環境と努力の結果なのだな、と違った方向に想いを馳せる。ドラマじゃないのかってぐらいのシチュエーション豊かなエピソードが続く。圧巻。

ユートピアはガマン系

D700+24-70mm トリミング済み

「ハーモニー」 伊藤計劃 著 読了。プロバビリティシリーズ(ナンシー・クレス)のワールドが頭に浮かんだ。共通することはガマンすることで、ユートピアを作り上げるにはガマンしなければならないみたい。お互いが文句言い合っても、人間関係はこじれないシステムとか違うアプローチはないものか。3日に一回不快な感情や記憶だけがリセットされる世界とか。やばい世界だ。ちなみに台湾の自殺者数は年間4,300人ぐらい(2006年調べ:台湾自殺防治中心)らしい。年が近い統計と人口で計算をすると日本の自殺率0.025%、台湾の自殺率は0.01%ぐらい。

ぶくぶくとMマウント沼に潜ってて、μ4/3に付けると画角が2倍になるからこれは使いづらそう・・・、これは高い・・・、んな小さいこと考えるならM9-P買えよ、ともう一人の私が言う。寝起き直後からわーわー言ってきてうるさいこと限りない。

バスがスルー

基隆行ってきましたーッって写真だ。これ以上ないものだ。TA・I・KU・TSU.

この後、雨に降られる。

霧雨の中、某公園に行って写真を撮る。17時を過ぎていたため人はいない。薄暗く苔むした公園で、たまに聞こえてくるのは獣の声と森の中で動く気配。森と公園の境になっているところに朽ちかけた壁があり、なんとなく途切れている部分を抜けると、壁側に真っ白い椅子が1台あった。壁を背に森を向いている。小さくヒッって言ってしまった。おばあちゃんとか座ってたらショックで絶対死んでた。

事が終わったのでバス停でバス待ちしていると2台連続で満員のため乗車拒否される。中高生が多く乗っていた気がするけどあの先に若人的に魅力的な何かがあるのだろうか。・・・国立海洋大学があるなぁ。

台北-基隆のローカル線で「怪食対談 あれも食った これも食った」 小泉武夫 著を読了。最近、原発関連のPDFばかり読んでるので軽めの本を読みたかった。しかし、対談している方々とのジェネレーションギャップでイマイチのめり込めず。今の食はイカンと言われてもねぇ・・。

原発関連のPDFを読んでて思うのは事故った時のリカバリーできなさが驚異的なこと。壊れたところに近づけなくなるってのは絶望的。

4番出口から

誠品書店に用事があったのでランタンフェスティバルの会場に寄ってみる。ビーチパラソルの下でがらがらのライブ会場を撮影しているカメラマンが勇ましい。ランタンはいつも通りです。

日本で購入してきた本を読み続ける。

「義経 上・下」 司馬遼太郎 著
司馬遼太郎は義経が嫌いなのかと思えるほどダメ人間として書かれていて、弁慶もほとんど出てこないためヒーローとした話ではない。勧進帳のくだりもないためこっちの方がリアルなんでしょう。そこまで頼朝の意向が読めないか?とも疑問も浮かぶけど、いろいろな人の思惑が渦巻いていてコントロールできなかったのか。静御前の名前で唐突に「修羅の刻」のシーンが蘇ってきて読み直したくなる。

「ダ・ヴィンチ・コード」 ダン・ブラウン 著
良くできてるけど、絶賛するほどではないのはキリスト教徒ではないためと期待が大きすぎたためか。

「ハイ・フィディリティ」 ニック・ホーンビィ 著
サイコウ。30歳の独身男性がクソッタレでサイテーな気分で読むには最高の小説だ。読みながら「あるある」と呟きたくなるシーンやそのセリフを言うんじゃないと痛くて目を背けたくなるシーンもある。本にツッコンでるのはハマってる証拠。イギリスらしくブラックジョークは冴えててビートルズに対するジョークはかなり黒い。主人公の友達がバンド名をSDM(ソニック・デス・モンキー)にしたくだりは、私が頭に浮かんだセリフを主人公がそのまま言ってて声を出して笑ってしまった。

やっぱり足裏マッサージ

久々に太極堂へ足裏マッサージに行くとゴリラのようなぶっとい指をしたおじさんが出てきて逃げたくなる。指にあるマメが皮膚ではなく道具のように硬化していて、キャリアの長さを物語っていた。指の印象通りただ者ではなく、今までの足裏マッサージで点の痛さは体感したことがあるけど、このおじさんは太い指を複数つかった面の痛さで悶絶する。汗だくになりマッサージが終わると足が一回り小さくなっていて靴がブカブカになった。満足。

「亡国のイージス」 福井晴敏 著
読了。日本人が登場人物らしい湿っぽい部分がある小説でした。途中から脳内でケイシー・ライバックがナイフを投げ始めて無性に「沈黙の戦艦」と「暴走特急」のノベライズが読みたくなってきた。まだ実家にあるかな。

E-PL1+ZD70-300mm+FL-50R

使う使わないは別にして付けてみたかった E-PL1+ZD70-300mm+FL-50R の重装備。想像通りのレンズにカメラが付いてる感じになって大満足。この状態で70-300mmを使うとフォーカスを合わせるのに2~3秒の時間が必要だった。11-22mmでもテストしたけどウィィィンと2~3秒必要としていた。25mm f2.8を購入する計画はヤメておこう。レンズを購入するとすればマイクロフォーサーズの9-18mmだ。

日曜の午後遅くから会社に行ってペケペケと仕事を終わらす。細かい仕事が多いのでひとつひとつ終わらせること。藪こぎしてるみたいで目的地へ辿り着けない感覚もありますが微妙にまともになっているのでしょう。

(仕事関係以外の)積み本を片付ける。

「プロバビリティ・ムーン」 ナンシー・クレス 著
読了。適当に読んでいたら訳が分からなくなり、再度じっくりと読み直ことになる。中頃で世界観の説明が出てきてからすんなり進み始めた。異世界として書かれている「世界(ワールド)」の花を中心とした文化は好きだ。「あなたがたの花が永遠に咲きこぼれますように」なんてこじゃれた挨拶が礼儀の世界。3部作の1作目なのでこれから、と言ったところでしょうか。

「寒い国から帰ってきたスパイ」 ジョン・ル・カレ 著
読了。適当に読んでいたら訳が分からなくなり(以下省略)。ディック・フランシスやロバート・B・パーカーのようなハードボイルドでピリッとしたセリフもない地味なお話。その地味なやりとりが緊張感を醸し出している。良い。

街道をゆく 40 台湾紀行

夕方の基隆港を中正公園から見下ろす。基隆の中正公園は日本統治時代に台湾八景のひとつに数えられたところで、司馬遼太郎の「街道をゆく 40 台湾紀行」にも話が出ています。

「街道をゆく 40 台湾紀行」を読了する。現地で読むと臨場感があって染み入ってくるために、旅のお供にオススメ。「魂魄」と名付けられた章は・・個人に絡まってくる歴史の重さに泣いた。久々に司馬遼太郎を読むと、全体のおもしろさはもちろんのこと、参考にした膨大な資料の量に圧倒され、文章表現の豊かさにメモを取ってしまう。漢字の意味を調べるために辞書を引いたのなんて久しぶりで、とことんプロの仕事だ。Webで時間を潰すのではなくて良い本を読まねばないけないなぁ。決して難しくない単語の組み合わせなのに著者の感情が私の中にスッと入ってきた表現をメモする。

このさびしさの始末に、しばらく困った。
移ってきたときの悲しみが、まだ乾かずにいる。